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ドラマ「ハルモニア」の感想

Posted by MaSA on 1998/09/17 02:54:20:
In Reply to:
ドラマ「ハルモニア」終わりましたね・・・
                     
 Posted by BULGARIかしら on 1998/09/15 23:52:17:

htさん、新規のツリーをありがとうございます、書き易きなりまし
た。

原作読んじまってこんがらがっているのはhtさんと同じなんですが、
10回で終わるとは予想外でした。もうちっとやると思っていたのに。

結局、オープニングはそのまま最終回のエピローグでしたね。原作
より先まで描いちゃってました。(←そこが気に入らないんだけど)
由希が死んじゃうのはしょうがないとして、素人が「焼いちゃ」拙
いだろう、いくらなんでも。そういうのを「死体遺棄」と言うのだ
ぞ。あの描写は、嫌な意味で引っ掛かります。

ドラマの描写の中で、東野君はどうやら由希に恋愛感情を持ってい
て、由希もそうらしい。と言うところは分かるけど、東野君が由希
の「自分の」音を追い求め、由希も「自分の」音を追い求める事を
望んでいる、と言うところは良く分からなかった。表立って見える
のは、恋愛感情の部分だけなので堂本君(っていきなり役者の名前)
が中谷美紀に向かって「そうか。お前もそれを望んでいるんだな」
なんて言われても、見ている私にはイマイチピンと来ない。勿論、
原作読んでいるので、由希がルーメイの殻を破りたいと思っていた
らしい事は知っていたけど、ドラマの中からは読めなかった。手塚
理美の口から説明させていたけど、そうじゃなくって、ここら辺を
ちゃんと「絵」で描写してくれれば良かったのに、と思います。以
前有ったピアノの蓋を矢田亜希子の手の上に閉める時のあの描写は
決して説明的ではなく、「絵」で見せていた事を思うと残念です。

結局、東野君の年齢をドンと10歳若返らせて堂本光一を使おうとし
た処に無理が来てるのじゃないかな。

無理と言えば、弟ですが、何で自殺させたんだろう?自殺した事に
説得力が無い!「兄貴を楽にしてあげる」ってレベルで自殺された
んじゃ残った側が堪らんだろう。(←見ている側も堪らん)あれは
あのまま「病状が悪化して」と言う形で充分ではないか?(充分と
言うのは、東野秀行の中に充分「無力感」が残ると言う意味)

そうそう、矢田亜希子。東野君にナイフ突きつけて何か言ってまし
たが、これも結構意味不明^^;;。彼女の感情を考えれば、あのまま
由希をナイフで刺しちゃうのが正解ではないのかな?東野君にナイ
フ突き付けながら「由希さんの方が好きだって言いなさい」って突
きつけなくても言うだろう、随分前からそうなんだし。二股掛けて
騙していた訳でもないし。自分(矢田亜希子)が「そうじゃない」
と思い込みたかっただけなんだから。

と言うような感じで、ドラマ用に仕立てられたキャラクター達に、
どうも描写のブレの様なものを感じました。

その意味で、小説は(余り好きな結末ではないですけど)良く練ら
れていたと感じます。

東野君が10歳年齢を重ねている事も有り、現実に対して感じている
無力感やら、由希に対して忘れかけていた「自分の」希望を見出し
たり、と言う描写に説得力が有ります。

いっそテレビは、超ハッピーエンドにしちゃう、って手も有ったと
思わないではないな。最後にあんな「八つ墓村のたたり」みたいな
声を出すんじゃなくって、音楽の能力は消えちゃったけど代わりに
普通の感情と声を得るみたいな。(←お気楽^^;;)